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便利屋という「感謝」で人をつなぐ仕事

はじめまして。
「便利屋ガイドONE」を運営するサカタです。
このサイトを立ち上げるきっかけとなったのは、十数年前の出来事でした。
一文無し寸前のどん底から
当時、私は店舗経営の失敗を経験し、
職を転々とする中で代理店詐欺に遭い、大切な資金を失いました。

その後、様々さまよいながら、友人にようやく紹介された会社に入社。しかし人的トラブルが重なり、結局は急に職を失うことに。その会社のオーナーと意見が合わず、勢いで辞めたはいいものの、財布の中は空っぽの一文無し寸前。家賃の支払いすらできない状況に追い込まれ、途方に暮れました。
「どうにかしなければ…」
しかし、結局詐欺だった代理店の契約のために親族から借りたお金の返済も滞り、消費者金融での借金は絶対に避けたかった。
そこで、インターネットで必死に稼ぐ方法を探しました。
「掃除」という仕事との出会い
仕事の条件は明確でした。
● 会社に雇われず、自分の力で稼げること
● 今月の家賃を払うため、即金が手に入ること
そんな中で目に留まったのが「掃除」の仕事でした。
調べていくと、それは「便利屋」と呼ばれる業種の一つだと分かりました。
きっかけは一件のトイレ掃除
しかし、未経験の私にはどう始めていいかも分からない。
そんなとき、ある記憶がよみがえりました。
それは、高校の同窓会関連での出来事。
同窓会の会合で、私は相当に落ち込み顔色が悪かったのでしょう。
詐欺被害で落ち込んだ私の様子を気にかけた同窓会の会長(複数の会社を経営)が、
急に電話をよこし、こんな提案をしてくれたのです。
「来週、俺の経営するアパートの空き室があるんだけど、
そこのトイレ掃除を手伝ってくれないか。即日1万5千円払うよ」
即金でお金が手に入るならと、すぐに了承。
ところが、ひとつ奇妙な指示がありました。
「仕事の時はネクタイを締めてこいよ」

トイレ掃除とスーツ姿
なぜ掃除でネクタイを締めるのか分からないまま、
スーツにワイシャツ、ネクタイ姿でアパートへ向かいました。
そこで教わったのは、倫理法人会などで実践されているという、独特なトイレ掃除法。
金タワシに洗剤をつけ、ひたすら手で磨く。
そして、仕上げに水で流さず、雑巾で丁寧に拭き上げる――。
最初は戸惑いましたが、やってみると驚くほど便器が白く輝き、ニオイも消えました。
掃除が終わると約束通り1万5千円を手渡され、さらにファミレスで昼食をご馳走になりました。
会長は、トイレ掃除の会でのエピソードを語ってくれました。
ある若い女性社長は、自分が磨いたトイレが愛おしくて抱きしめるほどだという。
そして、綺麗になったトイレの水を飲むことさえあると――。
トイレ掃除にスーツとネクタイ。
何となくその意味と理由が、腑に落ちてきた。
この体験が、のちの「便利屋」としての道を開く大きなヒントとなったのです。
チラシをまいて、初めての依頼
私は自分が実際に体験して感動した「トイレ掃除なら、お客様に感動してもらえる」と確信し、
トイレ掃除の便利屋を始める決意をしました。
手元にあったのはわずか5,000円。そのうち2,000円を使って1枚1円のチラシを2,000枚印刷し、
近所の古めの一軒家を中心にポスティングを開始。
すると、3日後に最初の依頼の電話が入りました。
それは後にわかる、80代の一人暮らしの女性からのトイレ掃除の依頼でした。
初仕事で得た「ありがとう」
見積もりに伺うと、1階と2階にトイレがある清楚な古い家。
試しにタワシで少し擦り、
「こんなふうに綺麗になりますよ」とビフォーアフターを見せると、すぐに依頼が決まりました。
そして、所持金の残り3,000円でタワシや洗剤を購入し、翌日の掃除に備えました。
当日、全力で掃除に取り組みました。トイレだけでなく、周囲も汚れていたため、家全体を清掃。
気づけば昼から夜までかかっていました。
仕上がったトイレを見た女性は、ものすごく感謝してくれました。
さらに、支払いの際にチップまで添えてくれました。
そして、こう言われました。
「居間の部屋も掃除してもらえない?」
便利屋という「感謝」の仕事
そこから、「居間の掃除」「仏壇のある和室の掃除」と、依頼が次々続いていきました。
結果として、2週間で家全体の何室かを掃除し、支払いは15万円ほどになりました。
それで、無事に家賃を支払うことができました。
最初の夜、仕事終わりに寄った「すき家」で、
牛丼と共に、ビールを一口飲んだ瞬間の安堵感は今でも忘れません。
しかし、それ以上に心に残ったのは、あの女性の「ありがとう」の言葉と安堵の吐息でした。
彼女は一人暮らし。亡くなった旦那さんは、大手商社の元役員だったらしい。
どうりで小さい家だったけど、飾ってある人形や調度品がとても品がよく、
仏壇には高級な洋酒が並んでいました。
仕事を終えた私に、彼女はそのうちの一本をおみやげに手渡してくれました。
家に帰り、そのコク深いスコッチを飲み、味わいながら、つくづく私は思いました。

「便利屋の仕事は、思いを磨く感謝の仕事だ」
トイレ掃除にスーツとネクタイ。
あのどん底の時に、あの会長の誘いと言葉。
何となくその意味と理由が、腑に落ちてきた。
便利屋ガイドONEの想い
こうして、私は便利屋としての道を歩み始めました。
チラシから始まり、ホームページを作り、依頼を増やしていきました。
便利屋の仕事は、お客様の困りごとを解決し、
感謝の言葉をいただくことで成り立っています。
そして、その原動力こそが「感謝」なのです。
私の勤め人生活は、広告会社でのプランナーが10年と一番長かった。
けれど、便利屋に携わることで、
仕事することの意味を学び直したという思いが強いです。
このサイト「便利屋ガイドONE」では、私の経験をもとに、
便利屋という仕事の魅力で人をつなぎ、
これから便利屋を始める人、便利屋を必要とする人の役に立てればと思います。
「人の役に立ちたい」「自分の力で生きていきたい」「人の力をかりたい」――
そんな方々をつなぎ、このサイトが少しでも役立てば幸いです。
すべては「感謝」から。
便利屋ガイドONE 運営者 サカタ